近年、ナーチャリングという言葉をよく耳にするようになりました。しかし、意味を理解されている方は多くはありません。そこで今回は、その初級である基礎について説明します。ナーチャリングとは、育てる・養育すると訳される英語であり、近年はマーケティングの分野でも、よく用いられ言葉です。
自社の利益に最終的につなげるための一連の戦略的な企業活動であるマーケティングには、宣伝広告から価格決定やパッケージデザインの選定などの複数の要素が含まれており、ナーチャリングはその中でも「見込み客を顧客にする事」に重きを置いた活動です。この活動では、客が自ら欲するように促し、自然と商品が売れるようにする販売戦略が用いられており、客を「育成」して購入意欲を引き上げ、自社の顧客とする事を目指します。その方法には、商品情報の提供や商品利点の発信などはもちろんの事、商品そのものではないお役立ち情報などの啓発や発信といった活動も含みます。これは、短期ではなく長期にわたる関係を顧客と築く事に主眼を置いた活動であるためです。
近年になり、この活動が重要視されるようになった背景ですが、最も大きな要因としては、インターネットやスマートフォン・SNSの普及が挙げられます。これにより、多くの人が、気になる事があればすぐに検索する情報社会へと変貌し、顧客自身が能動的に、簡単で手軽に情報を収集して商品を比較する事が可能となりました。以前は企業の広告や宣伝で商品を知った顧客が、企業や商品への接点を多様に持ち、購入前に複数の商品を比較する事が当然となった現代において、ナーチャリングによる的確な情報提供などのアプローチがより重要となったのです。自社の商品を知る機会を適切に持ってもらい、効果的にアピールする事により、顧客に選ばれる存在になるために、ナーチャリングについてぜひ理解を深めましょう。